自衛隊イベント
マナー講座


あれもしたい、これもしたい。写真もいっぱい撮りたいし、戦車やヘリに乗ってみたい!
だけどちょっと待ってください。
あんまり自分勝手だと、周りの人が大迷惑。
もしかしたら、あなたのせいで来年からイベントが中止になっちゃうかも。
ここでは、僕なりにまとめたマナーを取り上げます。

そこのあなた、面倒くさがらずにお勉強。

自衛隊イベント=テーマパーク?
 自衛隊イベント、その開催する目的は自衛隊の活動を紹介し、一般市民に知ってもらう事。ですが、それを理解していない人が少なからずいます。
 僕自身『楽しいから見る』のが目的なので全ては否定しませんが、『面白かった』『つまらなかった』の二択のみで判断するのはナンセンスです。自衛隊はイベント屋ではありません。楽しませると同時に『知ってもらう』という目的でイベントを開催します。もちろん、基地の規模や事情などで内容は千差万別。満足行かないときもままあります。しかし、それで不満だけを漏らすのはいかがなものでしょうか。観閲行進や訓練展示が無くとも、装備品展示で隊員に色々聴くことも出来ますし、パネル展示などは自分の見識を広める絶好の機会です。僕たちも、見る以上は『勉強する』という心構えが必要なのでは。
「展示内容がつまらないから抗議のメールを送った」と誇らしげに語った人物もいましたが、彼に対して聴いてみたい。あなたにとって、自衛隊とは何なのかと。自分をはじめ、全ての自衛隊マニアやファンがこのような人間と同類に見られていると思うと、あまりにも情けなく、恥ずかしく思います

必要ですか?ビニールシート
 場所を確保するのによく使われるビニールシート。たしかに、混雑する観客席の中で、自分達のためのゆったりしたスペースを確保できる利点があります。ですがその分、他のお客さんのスペースを奪っていることになります。
 たとえば、畳1畳(90cm×180cm)くらいの広さなら、3人ぐらいつめて座れますし、立ち見にすれば4〜6人ぐらいのスペースです。ですがそこにシートを敷けば、せいぜい1〜2人サイズ。しかもほとんどは中途半端に空いている無駄な空間です

タバコ1本で大惨事!?
 最近は駅も禁煙という、愛煙家には厳しい状況ではありますが、会場もまた例外ではありません。
 観客席の中で、空き缶や携帯灰皿を片手にプカプカ吸ってる人もいますが、灰皿を持っているのは言い訳にもなりません。混雑した観客席のど真ん中で、周りに煙を撒き散らす人のモラルを疑います。ちゃんと喫煙所に行きましょう。
 また、飛行場のエプロンは火気厳禁。一切の火の使用が禁止されています。航空燃料は灯油とほぼ同じ成分で、液体では引火しにくいけど一旦蒸発すると強い引火性と燃焼力を持ちます。その燃料を積んだ航空機が、航空祭のときにはそこかしこにあります。その機体から燃料が漏れていたのを見たときは背筋が凍りましたよ。そのとき、タバコに火をつけるあなたの方へ、気化した燃料が風に乗って流れてきたら…

肩身の狭い脚立利用者
 会場に行くと必ず見かけるのが脚立利用者。人ごみの後ろからでも見られるし、高いところから見た視点というのは写真を撮るのにも面白いアングルなのです。当サイトでも、以前は『マニア御用達・三種の神器』として紹介していました。しかし、これがトラブルの火種になることがしばしば。そのため、最近は『脚立禁止』の風潮が強まっています。
 脚立の上に立てば、もちろん後ろの人の視界をさえぎることにもなります。それは1人2人でなく、あなたの後方のほぼ全員と考えていいでしょう。観客数の多いイベントでは、それが原因で取っ組み合いのけんかが発生するとか。これはあながち冗談ではありません。僕も一触即発の場面に遭遇したことがあります。
 それに、脚立の上は非常に不安定です。強風であおられた・誰かの足が脚立に当たった・立ちくらみでふらついたなど、ちょっとしたことでバランスを崩します。しかも通常より高いところにいるので、落下すれば大怪我を負う場合もあります。さらにはそのとき、周囲の観客をも巻き添えにする危険も考えられます。
 それと、脚立は持って歩くだけではた迷惑です。皆さん色々な方法で持ち運びますが(手に持つ・肩からベルトでつるす・ハンドキャリーに乗せるetc…)、かさばることに変わりはありません。それに脚立は金属で出来ている上に角張っているので他人に怪我を負わせる危険もあります。
 僕も以前は脚立利用者でしたが、いつも使いどころに迷う上、荷物にもなるので最近は持っていきません。

レシーバー、使い方一つでアブない人間
 色々な無線を聴くことができるマルチバンドレシーバー(レシーバー)。無線を聴きながら展示を見るのは醍醐味の一つですが、、これもまた使用者のモラルを試されるアイテムです。
 聴きたい人にとっては最高の解説でありBGMですが、そうでない人にとっては騒音以外の何物でもありません。音量を絞ってもスピーカーから流れる音は周囲の観客の耳に入ります。聴いてる人は『みんなが聴きたいだろう』と考えがちですが、はたから見ればカーステレオを大音量にして走り回っている車と同類です。
 またレシーバーで無線を聞くという行為は解釈の差はあれど、現在の電波法では犯罪に問われることはないようです。しかし、それで得た情報を悪用するのはもちろん、その内容を他人に教えることも禁止されています。僕は聴いた情報(どの飛行機がどこら辺を飛んでいるか・訓練展示で次に何をやるかetc…)を周りの人に教えるクセがあるのですが、これは明らかに法律に抵触する行為です。親切心から起こす行動ではありますが、僕自身自戒せねばならないと反省してます。
 これらのことを踏まえ、レシーバー使用時にはイヤホンを使用しましょう。イヤホンを使用すれば騒音防止になるのはいうまでもありません。また、自衛隊はいついかなる時でも有事に備えています。何気なく聴いていた無線の中に、突如として機密性の高い交信が入ることもあり得ます。情報漏洩を防ぐためにも、『レシーバーはイヤホンで聴く』をクセにしましょう。

自動車は持ち運ぶ事が出来ません
 本題に入る前に、この項を語る上で欠かす事の出来ないエピソード『百里サンダーバーズ狂想曲(ラプソディ)』を一つ。駄文ではありますがどうぞお付き合いの程。

 2004年9月26日の百里航空祭。アメリカのアクロバットチーム『サンダーバーズ』が来るとあって、マニアならずとも注目。
 ところが、雨天をものともしない例年以上の人出と反比例して、駐車場は事前抽選制で例年より縮小。にもかかわらず、抽選を知らない客が百里に殺到したために周辺は前代未聞の大渋滞。その様相は『混沌』という言葉そのもの。行くこともままならず、引き返す事すら至難の業。インターネットの掲示板は、携帯から送られる身動きできない人たちの悲鳴で溢れ、早朝に出発したシャトルバスが会場に着いたのは閉場前という信じがたい事態に。
 雨でほとんどのフライトが中止だったということもあり、この日幸運だったのは辛うじてたどり着けた人と引き際を読めた人。大半は動かぬ車列の中で悶々とした時間を過ごすのみだったというしゃれにならない一日でした。

 出かけるならマイカーで、という人が必ず考えなきゃいけないのが駐車場所。会場に駐車場があればいいのですが、充分な数はありませんし、場所によっては抽選だったり、駐車場そのものが無い事も
 駐車場が無いからといって、路上駐車するのは言語道断。近所の有料パーキングならまだしも、スーパーや公園の駐車場に止めるのも論外。「帰るときに公園の中を歩けば立派な『公園利用者』だから問題なし」とほざいた大馬鹿者もいましたが、彼は『五十歩百歩』という言葉を知っていたのでしょうか。このマリー・アントワネットをほうふつとさせる屁理屈には怒りを通り越して、呆れてものも言えません
 そもそも、車が多数押し寄せるのですから周辺は混雑します。渋滞が発生すれば、被害をこうむるのは周辺住民と、その抗議に晒される開催者である自衛隊です。いらぬ混乱を避けるためにも、出来るだけ公共の交通機関を利用しましょう

意外な盲点、写真撮影
 イベントに行けば、ほとんどの人が持っていくカメラ。普段お目にかかれないものや決定的瞬間を写真に収めるのもまた楽しみ。ですが、これが意外に当人の資質を問われるバロメーターだったりします。
 撮影の時にはどうしても被写体に目が行ってしまいますが、あなたが撮りたいものはみんなが撮りたいものでもあるのです。カメラを構える前、360度見回してみましょう。するとあなた以外にもカメラを構えている人がいたりするのです。そんな時、自分が邪魔になりそうなときにはすぐに下がって視界を譲り、次のチャンスを待ちましょう
 逆に写真を撮りたいとき、アングルに余計な観客が入り込んでいたら?出来ればどいてもらいたいものですが、出来るだけ我慢して視界から消えるのを待つほうが無難でしょう。声をかけて移動してもらうのも一つの手ですが、それで相手の機嫌を損ねたり、ケンカ沙汰になったりすれば楽しい思い出も台無しです。

これこそ最重要かも?
 あなたがイベントに行って、もしも他人にマナーなどを注意されたら素直に従い、自分の悪いところを正しましょう
 隊員に喫煙を注意されて「周りも吸っているだろうが!!」とキレる人、周囲の観客の苦情に耳を貸さずバカでかいシートを広げる集団、これらの人間には自衛隊イベントに行く資格などありません
それ以前に、その人間性を疑わざるを得ません。
 自分のわがままを少し押さえて、人のことも考えて楽しみましょう。きっと周りの人も楽しくイベントを見られるはず。そうすれば、みんなが自衛隊を楽しく勉強することが出来るのです

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