自衛隊エセ大辞典
(用語編)


自衛隊に関連する言葉を集めてみました。もっとも、使えるかどうかはわからんけど。
僕の独断と偏見も混じっているので、実際の意味とは異なることがあるかもしれません。

あ行

IRAN(アイラン)
 航空機の分解点検。車で言う車検のようなもの。
アレスティングフック
 戦闘機などの後部下面に装着されているフック。
 飛行中、機体にトラブルなどが発生して緊急着陸する際、滑走路上に張られたワイヤをこのフックで引っかけて停止(フックランディングという)する。
 艦載機は空母に着艦する際、制動距離を短くするために常にフックランディングを行うため頑丈に出来ている。
イージス艦
 レーダーなどのセンサーシステム・火気統制や目標識別を行う中枢部・長距離ミサイル主体のウエポンシステムを統合して運用する護衛艦や軍艦。特に対空防衛・戦闘に秀でており、艦隊防空システムの中枢とも言える。
 ちなみにイージスとは全能の神ゼウスが娘のアテナに与えた、すべての邪悪を跳ね返す盾のこと。また、ペルセウスがメドゥーサを倒すときに使った盾もこれである。
インチ
 長さの単位。1インチは2.54cm。
 銃の口径の38口径は0.38インチ=約9mm、7.62mmは1/3インチ、12.7mmは50口径と覚えましょう。
ヴェイパー
 飛行中の飛行機の主翼上面や両端などから発生する水蒸気。急旋回など、激しい動きをしたときによく現れる。飛行機雲とは違い、低空でも発生する。
 宮崎 駿の映画『紅の豚』のポルコ・ロッソvsカーチスの空中戦で、マンマムートの船長が『スゲェ!豚が雲を曳いた!!』と言うのはこれのこと。恐らく、ポルコ・ロッソの操縦技術の高さを表現したのだろう。
ウォークダウン
 展示飛行の際に、パイロット・整備員の入場から機体の発進準備、滑走路に移動するまでを展示すること。
ウォークバック
 展示飛行の際に、機体が着陸してからパイロット・整備員の退場までを展示すること。
 ウォークダウン・ウォークバック共に、演技科目に組みこんでいるアクロバットチームは世界的に見ても数少ない(米空軍サンダーバーズ・米海軍ブルーエンジェルス・航空自衛隊ブルーインパルス・海上自衛隊ルーキーフライトなど)。
WAVE(ウェーブ)
 女性の海上自衛官。Woman Accepted for Volunteer Emergencyの略。
エアベースシリーズ
 東芝EMI製作の航空機ビデオ。売り文句が『航空ファンの圧倒的支持をえたエアべ−スシリーズ』と自分で言い切るところがすごい。現在はバンダイビジュアル(EMOTION)に製作を引き継がれて『ニューエアベースシリーズ』となった。
 戦闘機のみならず、パイロットや整備員、その基地に所属する他の部隊や隊員たちの日常を追い、戦闘機基地全体に焦点を当てている。これを見るたび、『航空自衛隊の主役は隊員一人一人だ』と感動してしまう良作。
 姉妹品に陸上自衛隊の『グランドパワーシリーズ』や海上自衛隊の『フリートパワーシリーズ』などがあるが、アニメが主力であるバンダイビジュアルの中では影が薄い。何とももったいないことである。
エアボーン
 1.航空機が空中にあること。
 2.空挺降下のこと
栄誉礼
『栄誉礼』Quicktimeムービー(2.95MB)
 式典において、自衛隊の将補以上の階級の者・外国の軍の将軍以上のもの・政府閣僚・総理大臣・天皇・皇族・国家元首などに対して行われる礼。
 全員が栄誉礼を受ける者の方を向き、小銃を携行する隊員はそれに合せて『捧げ銃(つつ)』を行い、音楽隊またはラッパ隊が『祖国』という曲を演奏する。『祖国』のイントロ(栄誉礼冠譜)は対象(受礼者)の階級が高いほど、回数が多くなる(ムービーの中では2回)。
 受礼者が天皇の場合は『君が代』を吹奏する。
エプロン
 格納庫前の駐機場。ここに航空機を出して離陸準備や着陸後の整備などを行う。航空祭ではメイン会場となる。
エレメント
 戦闘機編隊の最小単位。隊長機(エレメントリーダー)と僚機(ウイングマン)の2機で構成される。
 現在の空中戦では2機対2機で戦うのが普通。たいていウイングマンが囮になり、隊長機がしとめるが、その逆ももちろんある。

か行

階級
 自衛隊の身分制度。下は三士から上は統合幕僚会議議長および幕僚長たる将まで、全部で18階級に分けられる。
 主に、第一線で活動する『士(三士〜士長の4階級)』、中堅隊員として士をまとめる『曹(三曹〜曹長の4階級)』、部隊などを掌握する『幹部(准尉〜統合幕僚会議議長および幕僚長の10階級)』の3つに大別される。
 正式には『三等陸士』『准海尉』『空将』のように数字と階級の間に陸海空の文字を入れるが、普段は『○○二曹』『□□三佐』などと使われる。
 なお、三士は自衛隊生徒。
回転翼機
 ヘリコプターのこと。揚力を発生させるメインローターが『回転』するのでこう言う。
家事一般
 自衛官の特技(笑)。
 自衛官は隊舎で暮しているころから身の回りのことを自分で行うように徹底的に教育されており、アイロンがけからベッドメイキングまで専業主婦顔負けの技術でこなす。
 ただ、食事だけは給養隊が行うので自衛官=名料理人と言うわけではない。
カタパルト
 空母から固定翼機を発艦させる装置。
 航空機をレールに乗ったフックに引っかけ、そのフックを蒸気圧で前方に発射し、その勢いで航空機に加速をつけて発艦させる。
カレーライス
1.説明不要の大衆食。香辛料を使っているので日持ちがよい上に食欲増進になり、肉も野菜も入っているので栄養バランスもいい。
 船員の栄養不足・脚気(=かっけ。ビタミンB1不足が原因で起こり、死ぬこともある病気)に悩んでいた日本帝国海軍が、イギリス海軍が軍艦で作っていたカレーシチューに目をつけ、これにとろみをつけて白米にかけたものが横須賀から全国に伝わったと言われている(カレーの町よこすかはここからきている)。横須賀ではなく、呉(くれ)から広まったという説もある。
 海上自衛隊では金曜日の昼食にカレーを食べる習慣がある(金曜カレー)のは有名な話。海上自衛隊で土曜の半日出勤があった頃、作るのにも片付けるのにも手間のかからないカレーライスが土曜の昼食として出されていた。そして土日が休日となった今では、その伝統は毎週金曜日の昼食に移った。つまり、毎週金曜日には最低でも全人口の約3パーセント、4万2千人が昼食にカレーライスを食べるのだ。また、このことは長期間に渡って航海する艦船乗員の曜日感覚を保つのにも役立っている。まさしくカレー曜日だ。
 基地ごと・船ごとにオリジナルレシピが存在し、門外不出とされているらしい。
2.海上自衛隊の二等海佐以上の階級がかぶる帽子の別称。
 帽子のつばに幹部を示す月桂樹(=ローリエ。カレーに使うハーブ)の模様が刺繍されていることからこう呼ばれている。
観閲式
  部隊を視察する来賓に、部隊の精強さ、練成度の高さを示すこと。自衛隊で最も重要な式典の一つである。
 最初に観閲官・来賓による部隊受閲(Quicktimeムービー2.41MB)、観閲官訓示や来賓祝辞、観閲行進が主な内容。
 有名なのは、陸海空の各自衛隊が3年に一度持ちまわり、総理大臣などを招待して行う『自衛隊観閲式』。
 海上自衛隊の艦船の場合は観閲式とはいわず、『観艦式(かんかんしき)』と言う。
艦載機
 洋上の艦艇(空母など)での運用を前提にした航空機。
 格納時に出来るだけスペースを取らないようにするために、機体の一部(主翼など)を折りたたんだり、ゆれる甲板での離着艦に耐えるために降着装置(車輪。いわゆる『あし(脚)』)が頑丈になっている。
 また、固定翼機の場合は離艦時にカタパルトに引張られるためのランチバーや、普通のより頑丈なアレスティングフックを装備している。
 海上自衛隊でも護衛艦で運用するために艦載型ヘリコプターを配備している。また、航空自衛隊でも艦載機を運用しているが、これは採用した機体がたまたま艦載機であっただけで、空母などでの運用は前提にしていない。
官舎
 所帯持ちの自衛隊員およびその家族・独身の幹部自衛官が生活する場所。たいていは基地から程近いところに作られた団地。
企業で言えば社宅みたいな物だが、住人同士の結束力は固いらしい。
管制塔
 飛行場およびその周辺空域の航空管制を行うところ。
幹部
 自衛隊の階級区分のうち、尉・佐・将。小部隊をまとめる『尉(准尉〜一尉の4階級)』、中〜大部隊をまとめる『佐(三佐〜一佐の3階級)』、作戦全体を受け持つ『将(統幕議長や幕僚長・将・将補の3階級)』に分けられる。
技官
 自衛隊員の中で、階級を持たず、基地設備などの修理・整備などの後方支援業務を行う隊員。
徽章(きしょう)
 隊員の技能や資格を示すために与えられる金属製のバッジ。
 パイロットがつけるき章(航空き章)は通称『フライングマーク』と呼ばれる。
 また、これとは別に、陸上自衛隊では個人の職種を示す『職種き章』を両襟につける。
儀杖隊
 基地や駐屯地を公式に訪問した上級士官や政府高官に対し、基地代表として栄誉礼を行ったり、身辺の警護を行ったりする部隊。
 来客に敬意を表し、その名誉を守る重要な任務である。
空中給油機
 大型機に燃料タンクと給油設備を装備し、飛行中の航空機に給油を行う航空機。給油機側からブーム(伸縮式のパイプ)を操作して受油機に接続する『ブーム式』と、給油機からホースを伸ばし、受油機から近づいて接続する『ドローグ式』がある。
 航続距離が伸びる・行動範囲が広がる・離陸時に搭載できる武器の量が増えるなどなどメリットは大きい。  日本でも導入が検討されたが、野党やアジア諸国が大きな懸念を示したため、空中給油『輸送』機ということで導入が決まったようだ。
空挺降下
 パラシュート降下。敵勢力の後方にパラシュートで降下し、奇襲・情報収集・交通路の破壊などを行う。非常に危険な任務なので、空挺団はエリート部隊と呼ばれる。
クロックコード
 よく映画で『敵機発見!2時と3時の方角!!』と言うアレである。
 戦闘機などで、目標の方角を示す番号。戦闘機の進行方向を12として、右回りに30度進むごとに1、2、3…と増え、12で元に戻る。つまり、自機が時計の12時の方向を向いているとして、目標の見える方角を文字盤の数字と照らし合せて使用する。図の場合、自機(矢印)から見て2時の方角に目標(赤い三角)があるので、この場合は『2時の方角』となる。
 おそらく、パイロットにとって怖いことの一つは空中戦で『チェックシックス(6時方向注意)』を宣告されることだろう。
敬礼
 自衛隊での挨拶。一般的なのは帽子をかぶっているとき、右ひじを横に張り出し、右手を帽子のひさしに当てる『挙手の敬礼』。
 他に、脱帽時に腰を10度の角度で曲げてお辞儀をする『10度の敬礼』(一般的)、同様に45度に曲げる『45度の敬礼』(天皇や隊員のひつぎに対して。脱帽時の最敬礼)、『気をつけ』をする『姿勢を正す敬礼』(国旗・国家に対して)や、帽子やヘルメットをかぶっていて、なおかつ小銃を携帯しているときに行なうのには小銃を右脇に立たせ、銃口に左手を添える『銃礼』、後述の『捧げ銃の敬礼』などがある。
憲法第九条
 正しくは『日本国憲法 第二章:戦争の放棄 第九条(戦争の放棄、軍備、および交戦権の否認)』。憲法の中でもいちばん有名な条文だろう。
 ここでは、
『1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
 2.前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。』と定められている。
 自衛隊を語る上で切っても切れない条文。真正面から『戦争の回避と軍備の放棄』を訴えているので、自衛隊は法的にあやふやな立場に立たされており、いつ憲法違反と言われてもおかしくない。
航空管制
 航空機の運行を管理すること。航空機は勝手に飛ぶことは許されず、事前に提出したフライトプランを元に、航空管制に従って飛行する。
行進曲
 マーチ(march)とも言う。軍隊の行進の時などに演奏される吹奏楽。
 各国の各軍ごとに公式行進曲があり、日本では『陸軍分列行進曲』(陸上自衛隊)・『大空』(同じく陸上自衛隊)・『軍艦行進曲』(海上自衛隊)・『空の精鋭』(航空自衛隊)・『祝典ギャロップ』(各自衛隊の車両行進)が公式行進曲に制定されている。
 ちなみに軍艦行進曲は世界3大マーチのひとつとして名高い(あとの二つは『旧友』と『星条旗よ永遠なれ』)。
厚生センター
 基地内に設けられた、隊員に対する福利厚生を行う建物。
 PX・理髪店・クリーニング店やレストラン(夜は飲み屋に早変わり♪)などが入っている。
 その充実振りは、『基地から出なくても生活できる』と言われるほど。
コールサイン
 航空機の無線での呼び名。自衛隊は各部隊ごとに固有名詞が与えられ、それに任意のナンバーをつけてコールサインとしている。
 有名なのは、アメリカ空軍の要人輸送機に大統領が乗ったときに使われる『エアフォース・ワン』。また、航空自衛隊 第11飛行隊はコールサインの『ブルーインパルス』がそのままニックネームになっている。
国際貢献
 自衛隊が外国に渡り、その国の活動に協力すること。PKO(国連平和維持活動)に伴なう平和維持・復興支援業務や、海外で発生した災害に対する緊急援助などがこれに当たり、近年最も注目されている自衛隊活動と言える。
 ことの起こりは湾岸戦争後の復興支援。日本はクウェートに多額の援助金を送ったが、外国から評価されないばかりか『汗を流さず、カネで解決する金満国家』と罵られた。そのため、政府はペルシャ湾の機雷を除去するために海上自衛隊を派遣することを検討したが、野党は『海外派兵に当たる』『外国に武器を持って行くのか』と猛反発。国会で悪名高い『牛歩戦術』が行なわれる程の大騒動となった。
 最近では国民の理解が進んだものの、アメリカの対テロ作戦支援やイラク復興支援などの『PKOによらない復興支援』に自衛隊が参加したため、またもや野党が『占領に協力するのか』と騒ぎ出し、国会が泥沼と化している。
固定翼機
 いわゆる『飛行機』のこと。揚力を発生させる主翼が『固定』されているのでこう言う。

さ行

災害派遣
 災害時に、自衛隊が支援活動のために派遣されること。自衛隊の主任務の一つである。知事などが防衛庁に要請するのが正式だが、突発性事態の時には防衛庁長官の判断でも派遣できる。
 救助活動、物資・避難民・救助隊の輸送や医療・食糧援助、避難所の設営・管理、偵察機やヘリコプターを使用した状況分析支援など、活動内容は多岐に渡る。その昔、漁業災害に対する派遣として、害獣であるトドを戦闘機の対地射撃で駆除したこともあるとか。ぉぃぉぃ
 離島での急患輸送や不発弾処理も災害派遣の一環である。
 最近は『災害派遣で活躍したい』と入隊する若者も増えているようだが、古参の隊員の中には『自衛隊の本分は防衛なのに…』と考え込む人もいるとかいないとか。
捧げ銃(つつ)
 自衛隊で、小銃を携行している際の敬礼の一つで、国旗や自衛艦旗・栄誉礼を受ける者・隊員の棺に対する最敬礼。
 右手の銃を自分の正面に持ち上げ、左手で銃身を握り、右手を銃床に添える。
 国旗・自衛艦旗に対して行う場合は小銃の先端に銃剣をつけて(付け剣という)から行う。
塹壕
 地上戦で、銃弾や砲弾の破片を避けるために地面に掘った穴や溝。
 一人だけが入れる程度のもの(通称たこつぼ)や、自陣にくもの巣のように張りめぐらしたものもある。
 中は雨が降るとひどくぬかるみ、第1次大戦中は塹壕の底に溜まった雪解け水で水虫になる(病名:塹壕足)兵隊も多かったとか。
G(ジー)
 重力のかかり具合をあらわす単位。2Gは重力の2倍=自分の体重の2倍の力で押されるようなもの。
 激しい操縦をしている最中のパイロットは7G以上の力がかかる(体重70kgのパイロットの場合、490kgの力!!)ので、うめき声を上げて歯を食いしばりながら操縦桿を握っている。
 下向き・後ろ向きにかかる(シートに抑えつけられる)GをプラスG、前向き・上向きにかかる(シートから引きずり出される)GをマイナスGという。
Gスーツ
 ブラックアウトを防ぐために、足腰に巻くズボンのようなもの。
 プラスGを感知すると、スーツ内に空気が噴き込まれて下半身を圧迫し、血液が下半身に集まりにくくする。
G−LOC(Gロック)
 LOCは意識喪失(Loss Of Conscious)の略。激しいGによって脳に血液が回らなくなり、意識を失うこと。
 言うまでもなく最悪の状態。
地雷
 起爆スイッチのついた小型の爆発物で、スイッチを踏んだ者や車両などに対して被害を与える。敵の侵攻が予想される場所に埋設し、その侵攻を鈍らせる。大きさや使用目的によって、対戦車地雷や対人地雷などがある。
 対人地雷の目的は『殺傷』ではなく、踏んだ兵隊に重傷を負わせ、その救援のために人員が割かれることによる戦力の低下。そのため、被害者が死に至る可能性よりも足を吹き飛ばされるほうが多く、不運にも踏んでしまった者は一生を義足と共に過さねばならない。通称『悪魔の兵器』とも言われる。
 地中に埋設された地雷は捜索・発見が難しく、紛争が終った地域の復興を妨げる最大の要因となっており、国際問題になっている。
JSDF(ジェイエスディーエフ)
 自衛隊の略称。Japan Self Defense Forceの略。
JASDF(ジェイエーエスディーエフ)
 航空自衛隊の略称。Japan Air Self Defense Forceの略。
JMSDF(ジェイエムエスディーエフ)
 海上自衛隊の略称。Japan Maritime Self Defense Forceの略。
JGSDF(ジェイジーエスディーエフ)
 陸上自衛隊の略称。Japan Ground Self Defense Forceの略。
JDA(ジェイディーエー)
 防衛庁の略称。Japan defense Agencyの略。
J-Wings(Jウィング)
 イカロス出版の発行している、管理人イチ押しの軍用機雑誌。タイトル(=日本の翼)が示しているとおり航空自衛隊がメインだが、世界の軍用機もとり上げ、さらに陸海の自衛隊も扱う『行動派のためのミリタリーマガジン』。
 それまでのマニアックなミリタリー雑誌とは違い、わかりやすい内容と解説・ビジュアルを意識した見やすい誌面・種類豊富でカユイところに手が届く連載・詳細なイベント情報・ミリタリーゲームやプラモデルの紹介などなど、他誌とは一味違うソフトな構成で初心者にもわかりやすい。
 毎月21日発行、税込み定価1200円で絶賛発売中!!( ̄▽ ̄;)ゞ買ってね〜
自衛官
 自衛隊員の中で、階級を持ち、戦闘に参加する隊員。
自衛官妻
 一部で使われている言葉。自衛官と結婚した奥さんのこと。住んでる場所が主に官舎なので官舎妻とも言う。
 ダンナの仕事が特別なため、普通とは違う苦労が多いらしい。
自衛艦旗
 海上自衛隊の自衛艦に掲揚される旗。旧海軍の軍艦旗と同じデザインで、白地に光を放つ太陽のデザイン。
 船が造船所から自衛隊に引き渡されて自衛艦となる際に、内閣総理大臣から授与される。同様に、自衛艦から除籍される際には返納される。その船が『海上自衛隊所属の艦船』であることの証し。
 海上自衛隊において、自衛艦旗は日の丸と同等の意味を持つ。
自衛隊
 『わが国の平和と独立を守り、国の安全を保つため、直接侵略及び間接侵略に対しわが国を防衛することを主たる任務とし、必要に応じ、公共の秩序の維持に当る』組織のこと(自衛隊法第3条より)。最高指揮権は内閣総理大臣が有する。
自衛隊員
 自衛隊で働く者の総称。
 『自衛官』『事務官』『技官』『教官』『医官』に大別される。
自衛隊オリジナル饅頭『撃』
 通称『撃まん』。その名のとおり、自衛隊限定のお饅頭。
 初代は生地に戦車・護衛艦・戦闘機の絵がプリントされていたが、写真の『撃まん2』からは包装ラップに絵がプリントされている。
 某ムダ知識番組で紹介されて以来、自衛隊イベント土産の定番になったが、人気のあまり買えない事もしばしば。
自衛隊音楽祭り
 毎年秋に日本武道館で行われる自衛隊の音楽祭。陸海空自衛隊の音楽隊や在日アメリカ軍軍楽隊、その他大勢の隊員が参加する。
 マーチングバンドやファンシードリルなどをはじめ、歌あり踊りあり果ては和太鼓に至るまで、およそ自衛隊らしからぬ(失礼!)エンターテインメント色豊かなイベント。一般者向けの『広報活動』だが、見るためにはチケットの抽選に当選する必要がある。
 イマイチ知名度が低いが、九段下駅〜武道館の道が超大混雑になるほどの観客が集まる。
 以前は毎年『華麗なるマーチ』というタイトルでテレビ放送されていた。…今はどうなんだろ?
自衛隊コーヒー
 基地内で売られているというコーヒー。中身は平凡なコーヒーなのだが、缶に戦車や護衛艦・戦闘機の写真が印刷されている。
 その存在は広く知られており、実在することも確認されているが、僕は今まで一度も現物を見たことが無い。自衛隊マニア幻の一品と言えよう(笑)。
 姉妹品に『自衛隊スポーツドリンク』『自衛隊ガラナドリンク(北海道限定?)』があるらしい。
 なんとか入手したら、神棚に奉って毎日拝みたいものだ(ぉぃ)。
自衛隊生徒
 中学卒業と同時に自衛隊に入隊し、訓練と平行して高校教育を受ける者。卒業すると三曹となり、中堅自衛官として任務に当たる。
 陸上自衛隊の少年工科学校・海上自衛隊の第1術科学校生徒部・航空自衛隊の生徒隊がある。
ジエカジ
 誰が呼んだか『自衛隊カジュアル』の略。
 四六時中、制服やジャージで済ます自衛官、たまに私服に着替えてもどこか一般の人と違うらしい。
支援戦闘機
 地上戦闘・海上戦闘の際に上空から敵勢力に対して攻撃を行い、味方勢力を支援する戦闘機。外国で言う攻撃機。日本ではF−2・F−1がこの任務に就く。
事務官
 自衛隊員の中で、階級を持たず、総務・厚生などの行政事務を行う隊員。
シャークマウス
 『サメの口』の直訳どおり、戦闘機などの機首に描かれたサメの顔の塗装。シャークスティークス(サメの歯)とも呼ばれる。
銃剣
 小銃の先に付ける刃渡り30cm前後の剣。銃の弾切れや故障のとき、接近戦になったときなどに銃に装着して戦う。
 銃剣が発明された当時、それまでの戦闘の方法を変えてしまうほどその効果は絶大だったという。
スクランブル
 緊急発進のこと。特に領空内に国籍不明機が侵入する恐れがある場合に、戦闘機部隊が出動することを言う。スクランブル(scramble)の語源は炒りタマゴ(スクランブル・エッグ)。緊急時の格納庫内が、炒りタマゴを作っている最中のフライパンのようにあわただしいためこう呼ばれる。
スプーク
 英語で『お化け』の意味。F-4『ファントム』のマスコット。黒いマントと黒い帽子を身につけた魔法使い。
スモーク
 
 アクロバットを行う飛行機が見栄えを良くするために放出する煙状の気体。
 エンジン排気口のすぐ後ろにオイルノズルを取りつけ、そこから放出されたオイルが排気ガスの熱で蒸発して煙のようになる。
戦技競技会
 略して『戦競(センキョウ)』と言うのが普通。全国の戦闘機部隊・支援戦闘機部隊の代表が集合し、空中戦や爆弾投下などで腕を競い合う。
 早い話が『部隊対抗の運動会』なのだが、これに優勝することは日本一強い部隊である事をも意味するのでマニアの注目も高く、各部隊の入れ込みようも半端ではない。ほとんどの部隊が士気と団結力を高めるために、部隊総出で応援したり、参加する機体に特別塗装を施したり、記念パッチを製作したりする。
 『戦競のメンバーに選ばれたがために、隊長にアメリカ空軍への留学を取り消されてしまった』とは某有名パイロットのエピソード。これからも、戦競が如何に重要か推測できるだろう。
専守防衛
 自衛隊の行動理念。『兵力はあくまで国土防衛のために使い、他国への侵略などには使用しない。先制攻撃は行わない』と言うもの。
 しかし、法律ではどのような行動を専守防衛というのかを定めておらず、現状を大げさに言えば『不審船を追跡する自衛艦は、例え不審船が攻撃行動を起し、または国土に上陸しても指一本だしてはならない』と言うことになる
戦闘糧食
 俗に『缶メシ』とも言う。野営地で食事を作るのが困難なときや戦闘中などのときに食べる食料。
 缶やレトルトで密封されていて、ご飯やおかずなど種類も結構多い。が、全体的にしょっぱいらしい。
 一般人はもちろん食べる機会が無い。たまにテレビで芸能人が試食するときも、『広報のための参考資料』という名目で提供されるようだ。
総合火力演習
 毎年、東富士演習場で行われる陸上自衛隊の公開演習。略して『総火演(ソウカエン)』というのが普通。実弾を使用するのが最大の特徴。
 もともとは新人隊員に近代における戦闘を実感してもらうために行われる演習だったが、今では広報活動の一環として一部は一般にも公開される。一般人が見るには事前の抽選に当ることが絶対条件だが、倍率は非常に高い。
 ニュースにもバンバン流れるので知名度もぴか一だし、数ある自衛隊イベントの中でも文句なしに一番人気。過去には精巧な偽造の鑑賞チケットが出回ったほど。
戦争進化論
 こう言っているのは僕だけか?まぁそれはともかく…(^^;)ゞ
 『戦争は文明を100年進める』とよく言われる。
 その最たる例が第1次世界大戦。それまでは鉄砲を使った騎馬合戦だったのだが、機関銃が誕生し、それに対抗するために塹壕戦が広まった。また、銃弾を防ぎ、塹壕を突破するために戦車が発明された。
 特に発展著しいのが航空機で、ライト兄弟が飛行機を発明してから数年後、戦場では既に偵察機が飛び交い、戦闘機・爆撃機が第一線に登場した。
 また、人形などを使ったデコイ(おとり)や毒ガス、市街戦やカモフラージュの研究もこのときから始まり、戦争は一気にナポレオンの時代から近代戦へと進化した。
 確かに文明は発達したものの、その傷跡もまた深い。夏に始まり、『クリスマスには帰る(数ヶ月で終る)』と言われたこの戦争も、急速な戦争の進化によって長期化し、多数の犠牲者を出すに至った。
即応予備自衛官
 後述の予備自衛官とほぼ同様の者。
 予備自衛官より練度の高い訓練を受け、現役の自衛官とほぼ同一の任務に当たる。また、災害派遣にも参加することがある。

た行

隊舎
 独身で階級の高くない自衛官が生活する場所。基地や駐屯地の中にある。イメージ的には体育会系学生寮か?
 数名の隊員と共同で1つの部屋を使い、集団生活を行う。
タキシーウェイ
 駐機場から滑走路へと続く誘導路。
TAC(タック)ネーム
 パイロットのニックネームだが、部隊内ではその名前で呼び合ったり、上官や先輩に決めてもらう(名付け親?)ほど重要で、パイロットの第二の名前といえる。代表的な戦闘機映画『トップガン』で使われた『マーベリック』『グース』『アイスマン』などの名前がそれである。
 『岩崎』という名前から『ロック』と呼ばれたり、寿司の名前に凝っていた先輩が、後輩4人に『テッカ』『カッパ』『ガリ』『ナットウ』と命名したりと千差万別。無論、『マーベリック』は一番人気で、新人は名乗れないとか。
タッチ・アンド・ゴー
 連続離着陸訓練。滑走路を空母の甲板に見立てて航空機が滑走路に進入・着地し、減速せずにそのまま離陸する訓練。
 また、着陸時にトラブルが発生したときにすぐに離陸するための訓練でもあり、大抵の飛行機部隊で日常的に行われている訓練でもある。
 T&G、T/Gとも書く。
立て銃(つつ)
 自衛隊で、小銃を携行している際の『気をつけ』の姿勢。
 右手で銃身の先を握り、銃床を地面につける。
地方連絡部
 略して『地連(ちれん)』、自衛隊を目指すものが必ず訪れる場所であり、地域と自衛隊の橋渡しを行なう『自衛隊窓口』。
 自衛隊員の募集・広報活動・退役自衛官の就職支援・業務支援の依頼相談などを行う。
 全国47都道府県の主要都市にあり、その下部組織とも言える募集事務所はさらに広い範囲にある。
チャフ
 細かいアルミ箔などの金属片。空中に散布してレーダーを妨害したり、レーダー誘導ミサイルをかわすのに使う。
 例えは変だが、『機動戦士ガンダム』で出てきたミノフスキー粒子と同じようなものと考えてよい。
定年
 自衛隊を退任する年齢。
 自衛隊は業務の特性上『若年定年制度』をとっており、60歳まで勤められるのは将や将補のみ、二曹や三曹は53歳。
統合幕僚会議
 陸海空三自衛隊を総括する、自衛隊の最高指揮機関。統合幕僚会議議長と陸海空幕僚長の4名で構成される。
 陸海空自衛隊が合同で行動に当たるときの指揮・監督を行なう。
特別塗装
 航空機・車両・装備品などに普段とは違う塗装を施すこと。スペシャルマーキング・それを略してスペマーとも言う。
 記念行事や大きな演習の時などによく行われる。飾り文字だけのものから機体全部を描きかえるものまで多種多彩。
徒手格闘
 自衛隊のマーシャルアーツ(軍隊格闘技)。日本拳法がベースになっている。
 突き・蹴りなどの打撃技、関節技、投げ技、銃やナイフなど武器を持った相手に対する対処法などが統合された総合格闘技と言える。
ドッグファイト
 近距離〜中距離における戦闘機同士の戦闘。お互いに後ろを獲ろうと動くのが犬同士のケンカに見えるのでこう言われる。
トップガン(TOP GUN)
 映画にもあったように、アメリカ海軍の空対空戦闘のスペシャリストを養成する部門。
 以前はミラマー海軍基地にあったが、今はファロン海軍基地に移り、NSAWC(海軍攻撃・航空戦センター)に吸収された。
 別に隊員をランク付けするのが目的ではないので『2位以下の名前が女子トイレに書かれる』事は無い…と思う。

な行

ノーズアート
 飛行機の機首(ノーズ)に描かれた塗装。
 戦争映画などで、爆撃機などの機首に描かれた女の人の絵などがこれである。
ノット(kt)
 速度の単位。1ノットは時速1マイル、10ノットは時速10マイル(陸では約16km/h、海・空では約18km/h)。
 どーでもいいことだが、マンガ『沈黙の艦隊』に登場する原子力潜水艦『やまと』の最大船速(速度)は40ノット(74.08km/h)。なるほど、空も飛べるわけだ(笑)。

は行

バーティゴ
 空間識失調。すべての戦闘機パイロットが体験していると言われる症状。
 視界不良な状態(夜間や雲の中など)で飛行をしたり、高機動をしたりすると平衡感覚が麻痺してしまうことがある。そうなると自分はまっすぐ飛んでいるつもりでも背面飛行していたり、上昇していると思っても実際は急降下していたりするため非常に危険。さらに、バーティゴにかかったパイロットはそのことを自覚するのが難しい。
バードストライク
 航空機が低空を飛んでいるときに、鳥と衝突する事故。相対速度が大きいため、エンジンに当ると飛行に支障をきたすし、風防に当ると鳥の残骸で視界がふさがれたり、ひどい時にはキャノピーが割れるので大変危険。
爆弾
 目標にダメージを与える物体で、推進システムを持たず、推進力も与えられないで自由落下するもの。
 目標によって、火災を起すもの(ナパーム弾など)・小さな爆弾をばら撒くもの(クラスター爆弾など)・地中深く潜ったり、建物内に入ってから破裂するもの(ディープスロートなど)・可燃性の液体を気化させて大爆発を起し、広範囲の破壊と無酸素状態を作るもの(デイジーカッター)などを使い分ける。
 投下と同時に羽を広げ、レーザーやGPSで誘導されるものが主流になりつつある(代表的なのはペイブウェーV)。
幕僚監部
 陸海空の各自衛隊の最高指揮機関。陸海空それぞれの自衛隊の運営を掌握する。
 また、それぞれの幕僚監部の長(幕僚長)は防衛庁長官に対する助言を行なう。
パセリちゃん
 自衛隊のマスコットで、同じくマスコットであるピクルス王子のガールフレンド。
 ピクルス王子が旅の途中で訪れたブロッコリ王国の、とある農村の村長アスパラの娘。今はピクルス王子と同じく日本に滞在中。
 明るくてやさしい性格だが、勇気いっぱいの女の子。

*パセリちゃんをクリックすると、防衛庁ホームページ内のピクルス・パセリ画像ギャラリーに行けます。
 
八八艦隊
 海上自衛隊の基本的な艦隊編成。
 旗艦をヘリコプター搭載護衛艦(DDH)×1としてヘリコプター3機を搭載、防空を担当するミサイル護衛艦(DDG)×2、汎用護衛艦(DD)×5にヘリコプター各1機を搭載。以上、護衛艦×8、ヘリコプター×8の艦隊を構成する。
パッチ
 ワッペンのこと。航空部隊は各部隊ごとにパッチを制定しており、それを作業服やジャケットに張ることによってユニフォームとしている。
 種類も多い上に、記念パッチなどもあるのでコレクターアイテムのひとつである。
ハンガー
 格納庫。機体を整備したり、保管したりする建物。
PX(ピーエックス)
 厚生センター内にある売店。BX(ビーエックス)とも言う。
 キ○スクみたいな物と思う無かれ。制服はもちろん、日用品から食品・CD・みやげ物から色んな意味での夜のオカズまで(ん?)、その品揃えはコンビニをはるかに凌駕する。
 隊員に限らず、基地に入ることが出来るときには一般人でも購買することが出来る。
 オリーブドラブ色のガムテープや快適演習Tシャツなど、微妙に自衛隊仕様な商品が売っていたりするので、マニアにとってはまさに『宝島』だ。
 官品なども販売されているが、これは一般人の購入は不可。
ピクルス王子
 自衛隊のマスコット。
 自国の防衛隊を充実させるため、同じような防衛システムを持つ日本の自衛隊に留学しに来た、パプリカ王国の王子様。王子様なのに自衛隊の中ではペーペーのヒヨッコ(笑)。
 もともとは自国が防衛隊を持つことについて反対だったが、旅の途中に訪れた隣国・ブロッコリ王国に滞在中、ゴーマ帝国の侵攻に遭遇したことによって国防について考えるようになる。
 気はやさしくて曲ったことが大嫌いだが、お調子者でおっちょこちょい。

*ピクルス王子をクリックすると、防衛庁ホームページ内の『広報パンフレット一覧』にいけます。そこにピクルスが主人公の漫画があるので、よろしければご覧下さい。
飛行機雲
 高空を飛ぶ飛行機のエンジン排気に含まれたチリなどが空気中の水蒸気と結びついて発生する雲。
飛行教導隊
 通称アグレッサー(agressor=仮想敵機)。各部隊に出向き、訓練で敵役を務めつつ戦い方を教育・伝授することを目的にした部隊。ACM(Air Combat Manuber=空中戦闘機動)のスペシャリスト。一流のベテランパイロットによって構成される。
 最近はエリートパイロットの養成も任務に加えたので『日本版トップガン』の異名もあながち間違いではなくなった。
 特徴的なカラーリングを施された機体と尾翼に描かれたコブラのマーク、ドクロのエンブレムに加えて空自最強部隊ということもあり、マニアの中ではブルーインパルスと同じくらい人気が高い。
ビンゴ
 直訳すると『当り』だが、決して『撃墜』や『命中』のことを言うのではない(敵機撃墜は『キル』『スプラッシュ』、爆弾命中は『シャック』『シャーク』)。戦闘中・訓練中に『燃料がギリギリで、基地に戻るのが精一杯だ』というときに使う。
 訓練中であれ戦闘中であれ、1機でも『ビンゴ』を宣告した場合、その編隊は基地へ無事に帰還することを最優先にして行動する。
ファンシードリル
Quicktimeムービー(1.6MB)  あらゆる方位から襲い掛かる敵に対し隊形を乱さず反撃する訓練に、隊列行進や銃の取扱いなどの基礎訓練を加味し、それに演技的要素を含ませたもの。太鼓や笛の音に合わせて隊列を変化させつつ行進したり、銃をクルクル回したりする。
 海兵隊がよく行っていた訓練なので『マリンドリル』とも言うらしい。
 
フィート
 高度をあらわす単位。1フィートは0.304m=30.48cm=12インチ。
 100フィート=約30m、300フィート=約90m(だいたい100m)と覚えておくと、航空祭で便利です。
フォックス
 直訳すると『キツネ』だが、フォネティックコードではアルファベットの『F』を指す。
 戦闘機では『FIRE(=発射)』の意味。敵機を攻撃する瞬間に『フォックス○(○内は数字)』と無線で宣言し、味方に巻き添えにならないよう注意を促す。
 『フォックスワン』は中射程ミサイル使用、『フォックスツー』は短射程ミサイル使用、『フォックススリー』は機関砲での攻撃を意味する。
フォネティックコード
 アルファベットや数字の聞き間違いを防ぐために、航空無線などで使われる独特の言い回し。Aを『アルファ』、Bを『ベータ』などと言う。
ブラックアウト
 強烈なプラスGが肉体にかかると血液が下半身に集まり、視界が真暗になる。
 立ちくらみの強力なものみたいだが、最悪の場合、G−LOCに陥る危険な状態。
ブルーインパルス
 航空自衛隊のアクロバットチーム。各地の航空祭などでアクロバット飛行(展示飛行と言う)を行い、自衛隊への理解を深めてもらうのが目的である。民間のイベントにも要請があれば出動する。'02年の『ワールドカップ コリア・ジャパン』日本対ベルギー戦の開始前、両国の国歌斉唱が終った瞬間に上空を通過したのは記憶に新しい。
 現在の使用機(T−4練習機ブルーインパルス仕様×6)がイルカに似ているのでパイロットをドルフィンライダー、整備員をドルフィンキーパーと呼ぶ。
 ブルーインパルスはコールサインで、正式名称は『第11飛行隊』。
ブルーインパルスJr(ジュニア)
 ブルーインパルスが所属する松島基地の隊員有志が結成したクラブ。ホンダDuOを改造したT−4Jrに乗り、コミカルでスピード感あふれる展示飛行?を行う。
 イルカ(=ブルーインパルス)を喰らうという『シャチ』のエンブレムどおり、今や本家と並ぶほどの人気者。
フレア
1.飛行機が着陸直前に機首を上げる動作。機体を大きく減速させると共に、低速時でも揚力を得られる効果がある。
2.ミサイルをかわす物体。花火のような発火物を空中に放出し、赤外線誘導ミサイルをかわす。
 アメリカのドラマ『超音速攻撃ヘリ エアーウルフ』にでていた太陽弾はこれのことである。
ベイルアウト
 緊急脱出。戦闘機の場合は緊急レバーを引くとキャノピー(風防。車で言うフロントガラス&ドア)が吹っ飛び、ロケット噴射で座席ごと空中に発射されてパラシュート降下できる。前後二人乗りの機種では後席の者が前席の脱出の際に火炎を浴びるのを防ぐために、後席→前席の順に脱出するのが普通。
 機種によってはある程度高度が必要な上、速度を800km/h以下に抑えてから出ないと風圧で全身打撲になり、死に至る事もある。
 ギリギリまで機体をコントロールして人家などに被害が及ぶのを最小限に抑えた結果、脱出することも出来ず殉職してしまうケースもある。
ヘッドアップディスプレイ
 略してHUDと表記する。戦闘機や攻撃機の操縦席前面にある透明なアクリルのスクリーン。
 飛行中はここに高度や速度、兵装などの情報が表示され、戦闘中は標準が表示されるのでパイロットはいちいちメーターを見るために視点をずらさないで済む。
ヘリボーン
 ヘリコプターを使って人員・物資を輸送すること。ヘリコプターが着地してから人員・物資を降ろす事もあるが、着地が難しい場合などは荷物をロープで吊って運んだり、リペリングによって人員を降ろしたりする。
 安全を確保した上で行うのが前提だが、時には交戦状態の中に降りることもあるので素早い行動が必須である。
防衛出動
 自衛隊の主要な任務。外部からの武力攻撃に対して行う防衛行動。
 内閣総理大臣が国会の承認(緊急集会による参議院の承認)を得て、自衛隊全体または一部の部隊に対して出動を命令できる。
 ただし、緊急を要する場合は国会の承認を必要としないが、この場合は直ちに緊急集会を召集し、承認を得なければならない。
防衛大学校
 将来の陸海空幹部自衛官を育成する目的で創設された、全寮制の教育機関。卒業後は各自衛隊の幹部候補課程に進み、三尉となる。
 卒業すれば大学卒業資格が与えられるが、管轄が防衛庁なので文部科学省管轄の『大学』ではなく『大学校』。学生の身分も『特別職国家公務員』なので、授業料支払いどころか、毎月の棒給(給料)が支払われる。
 また、科目に防衛関連の科目や訓練があること、卒業後は自衛隊への入隊が義務付けられていることなども一般大学とは大きく違うところである。
 防衛大学校に入校すること、それ即ち『自衛隊に入隊すること』と同じことと言えよう。
防衛庁
 内閣府の一部門であり、陸海空自衛隊の管理運営を行なう省庁。自衛隊と防衛庁とは同じ組織を指す言葉であり、『行政』の視点から見ると防衛庁、『業務・行動』という視点から見ると自衛隊となる。
 近年の世界情勢に対応するため、防衛機能等の強化のために『防衛省』に格上げしてはどうかという議論が行なわれている。

ま行

マイル(nm)
 距離をあらわす単位で、1マイルは1.852km。
 正確にはノーティカルマイル(海里)と言い、地上で使うマイル(法定マイル 1.60934km)とは異なる。
マッハ
 音の速度。空気密度によって異なるが、マッハ1は高度0mでは1,225.1km/h、5000mでは1,154.0km/hである。
ミサイル
 目標にダメージを与える物体で、推進システムと誘導システムを装備しているもの。
 赤外線(熱)・レーダー波を感知するもの、インプットされた画像・地図・航路に従うもの、それらを併用するものなど誘導方法は多数ある。
 地対空(ペトリオットやスティンガーなど)・対艦(ハープ―ンやペンギンUなど)・空対地(ヘルファイアやマベリックなど)・巡航(トマホークなど)・空対空などがある。
 戦闘機は短射程(サイドワインダーなど)・中射程(スパローなど)の空対空ミサイルを装備する。中には長射程の空対空ミサイル(フェニックスなど)もある。
 中には誘導爆弾にロケット推進システムをつけたスキッパーUなど、爆弾だかミサイルだかわからんものもある。
ミサイル万能論
 近代ではミサイルがあるから、見えないくらい離れた位置からのミサイル一発でケリが着く、故にドッグファイトなど起らないという考え方。
 ところが、ベトナム戦争ではその理論に固執したアメリカ軍が大敗を喫する羽目になったため、今でもドッグファイトは重要視されている。
ミスティックイーグル(MYSTIC EAGLE)
 航空自衛隊・第204飛行隊のニックネーム。特に、同飛行隊が戦競のときに描くイラスト。
 以前はワルキューレ(バルキリーとも言う。北欧神話の戦いの女神)とグリフォン(ライオンの体に鷲の頭と翼のついた想像の動物)のイラスト。
 デザイン担当が当時の同飛行隊の整備士なのだが、なにせデザイン原画が園○健一(ガンス○スキャッツ作者)や貞元○行(新世紀エヴァン○リオンキャラクター原画)や水○良(ロー○ス島戦記の挿絵)や新谷か○る(言わずと知れたエ○ア88作者)といったビッグネーム。もちろん、マニアの間ではめちゃくちゃ有名で、ステッカーが販売されるほどの大人気。
 2001年、『VALYKRIE FINAL』と銘打たれた塗装が出現してマニアを驚かせたが、2002年にはモノクロのグリフォンと日本の剣士のシルエットを描いた『MYSTIC EAGLE NEW GENERATION』が登場し、さらにマニアを驚かせた。

や行

有事法制
 日本が戦闘状態に陥ったとき、自衛隊をはじめ、政府などがどのように行動するかを定めた法律。
 日本は有事法制がまだ存在しないため、敵勢力の侵略を受けたときには白旗を揚げるしかないのが現状と言える。
 しかし、有事法制は日本が戦争を行う口実にもなり、国民にも多大な影響を与える恐れがあるので短絡的に制定するととんでもないことになる。
要撃戦闘機
 領空に侵入する航空機を撃退する戦闘機。外国で言う迎撃機。自衛隊では主にF−15がこの任務に就く。
予備自衛官
 自衛隊を退職した自衛官の中で、有事の際には再び自衛隊員として任務に当たる者。
 防衛出動もしくはそれに準ずる状況が発生した場合、必要に応じて防衛庁長官の命令で召集され、主に後方支援任務に当たる。
予備自衛官補
 民間人でありながら、有事の際には自衛隊員として任務に当たる者。
 予備自衛官とは違い、任務経験の無い民間人から直接採用されるのが特徴であり、有事などで召集されたときを持って『予備自衛官』となる。

ら行

らっぱ
 ご存知、息を吹きこめば『プップクプー♪』と鳴るアレである。
 自衛隊ではラッパの音がチャイムのかわり(日課号音)であり、自衛隊の一日は起床ラッパに始まり、消灯ラッパに終わる。
 また、警報や号令のラッパもあり、命令伝達や危険を知らせる通信手段ともなる。
ランウェイ
滑走路のこと。通常はR/Wと表記する。
 滑走路につけられている2ケタの番号は向いている方向。『R/W00(ジロジロ)』なら真北、『R/W27』なら西というように北を00または36として、時計回りに10度回るたび01、02…と下1ケタから増えていき、36で真北に戻る。
 蛇足だが、丹波哲郎の往年のドラマ『Gメン'75』のオープニングでメンバーが歩く滑走路の番号は『75』なので、これはありえない。
 また、新谷かおるの名作『エリア88』では滑走路に『88』と記されているが、これもありえない。
ランウェイエンド
 滑走路のスタート地点。R/W01ならばいちばん南側が『01エンド』となる。
ランウェイチェンジ
 離着陸は向い風で行うのが基本なので、風向きによって使用する滑走路の向きなどを変更すること。普通、1本の滑走路を正対する2方向から使用する。
 たとえば、南北に走る滑走路(R/W01&R/W19)の場合、北風なら01、南風なら反対側の19を使用する。
 羽田空港などの大きな飛行場などでは、使用する滑走路そのものを変更することもある。
リペリング
 ロープによってビルの屋上やホバリングするヘリコプターから降りる方法。ラペリングとも言う。
ルーキーフライト
 『海上自衛隊にもアクロバットチームを』との声の下に創設されたアクロバットチーム。メンバーは全員第201教育航空隊の教官。使用する機はT-5練習機×4。
 正式には飛行技術を研究し、海上自衛隊の航空教育集団全体を活性化させることが目的で、アクロバット(正式には検証フライトという)による広報効果はオマケだとか。
 結成されて日も浅く、知名度も低いが演技のレベルは高く、『本家』ブルーインパルスに勝るとも劣らない。
 チームの名称は、第201教育航空隊のコールサイン『ROOKIE』から。非公式だが、『ブランエール(BLANC AILE=フランス語で「白い翼」)』の愛称がある。
レッドアウト
 強烈なマイナスGがかかると、血液が頭の方に集まり、眼球の毛細血管が膨らんだり、出血したりして視界が真赤になる。
 長時間続くと失明の危険もあるので危険な状態である。
レンジャー
 部隊の名前だと思われがちだが、正しくは『レンジャー課程』と言い、陸上自衛隊の訓練課程のひとつ。部隊の任務遂行に際して中核をなす隊員を養成するのが目的であり、まぁ早く言えば『ランボー養成課程』といったところか?
 その訓練は人間の限界を楽に越えるほど過酷で、ダイヤモンドに月桂樹をあしらった『レンジャー徽章』を胸につけられるのはエリートである証と言える。
ロケット弾
 目標にダメージを与える物体で、推進システムを持つが誘導システムを持たないもの。命中率はそれほど高くない。地上や航空機から発射される。以前は空対空装備でもあったが、今では地上の目標に対して使われるのが普通である。

わ行

WAC(ワック)
 女性の陸上自衛官。Woman's Army Corpsの略。
WAF(ワッフまたはワフ)
 女性の航空自衛官。Woman in Air Forceの略。


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